長野県松本市に移住した金子健一さんと、山形県鶴岡市にUターンしたマツーラユタカさんからなるフードユニット「つむぎや」さんによる、連載4回目。
金子さんが住む長野県松本市から山形県鶴岡市のマツーラさんへ。山形県鶴岡市に住むマツーラさんから長野県松本市の金子さんへ旬の食材や地のものを贈り合いながら、それぞれ暮らす土地を結んでスープをつくります。そして二人がお互いに書き綴る、お手紙のようなコラムもおもしろい、ほっこり美味しいコーナー。
連載4回目の今回は、鶴岡市に住むマツーラさんから松本市の金子さんへ地のものを贈り、松本の旬食材とあわせた、秋の夜長にぴったりのレシピを考案いただきました。
スープに使う食材をつくる、つむぎやさんとご縁ある農家さんもご紹介。食を通して人と人をつなぐ、こころ温まるスープをお愉しみください。
山形県鶴岡市▷▷▷長野県松本市 金子さんへの贈りもの
今回のテーマは「秋の夜長」。
鶴岡へ何度か訪れたことがある自分にとって、この庄内麸を見ると懐かしい気持ちにさせてくれる。
乾物なので軽いし、日持ちもするので、お土産にもピッタリです。
パリパリっと崩しながら、味噌汁に入れたり、季節の野菜といっしょに卵とじにするのもおすすめ。
今回、マツーラくんに「次は旬のバターナッツを使ったスープにしようと思うんだよね」と伝えたら、「そうしたらこちらから送るのは、庄内麸なんかどう?ガーリックオイルをぬって、焼いて、細かくしてクルトンみたいにトッピングするの!」「それ、いいね!」。
試作スタート!まずは庄内麸のガーリッククルトンから。ガーリックオイルは、みじん切りにしたにんにくをオリーブオイルでじっくり火を入れる。このガーリックオイルを庄内麸にぬり、トースターで焼く。にんにくが焦げそうだったらアルミホイルを上からかけてあげればいい。庄内麸にオイルがじわ〜っとしみ込んだらできあがり。
バターナッツのスープは、今回コンソメと塩糀を使って、とろみの強いポタージュにしよう。アツアツのポタージュにカリカリのクルトン、シミシミのクルトン、どちらも美味しそう。
続いてバターナッツを切ってみたら、断面はまるでまんまるお月さん。秋ど真ん中ですね。
金子健一 より
秋の夜長に、とろ〜り秋色ポタージュのできあがり
「バターナッツのポタージュ × 庄内麸のガーリッククルトン」
<材料> (2人分)
・バターナッツ 1/2本(約300g)
・玉ねぎ 1個(約200g)
・水 400ml
・コンソメ 小さじ4
・塩糀 大さじ1
・米油 大さじ1
・粗挽き黒こしょう 少々
<下準備>
・玉ねぎは皮を剥いて、薄くスライスする。
・バターナッツは半分にカットして皮をピーラーで削ぎ、縦4等分にカットして5mm幅にスライスする。
<作り方>
①鍋を熱し、米油を加え、玉ねぎを中火で炒める。玉ねぎがしんなりしてきたら塩糀を加えて弱火にし、さらに2分ほど炒める。
さらに2分炒めることで、
玉ねぎにやさしい塩気をまとわせる。
② バターナッツを加えたら、中火にして2分ほど炒め、水とコンソメを加える。
③鍋に蓋をして弱火で約10分、バターナッツがやわらかくなるまでコトコト煮込む。
④スープを煮込んでいる間にトッピングで使う庄内麸のガーリッククルトンをつくる。
フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で熱し、にんにくがきつね色になったら火を止めて、ガーリックオイルのできあがり。
⑤つづいて、庄内麸を半分にカットしてガーリックオイルを均等にぬり、トースターで約3分焼き、フォークなどで細かくする。
⑥バターナッツがやわらかくなったら、火を止めてブレンダーをかける。再び弱火で火をかけ、ひと煮立ちさせたらポタージュのできあがり。
⑦うつわにスープを注ぎ、⑤の庄内麸のガーリッククルトンを細かく砕いてトッピングし、粗挽き黒こしょうを振って、完成!
スープづくりに使った食材や、ご縁のあるつくり手さんをご紹介。中にはお取り寄せ可能な食材も!
山形県庄内地方に伝わる板状の焼き麸が庄内麸。生地を薄く延ばして棒に巻きつけ、直火で焼き上げ板状に。この形の焼き麩は珍しく、北前船での交易が盛んだった時代、船に積みやすいように板状になったと言われている。
●「SASAKI SEEDS」のバターナッツ
金子が「Alps gohan」でいつもお世話になっている農家さん。松本市里山辺という街中よりも少し標高の高い土地で、固定種、在来種の野菜から種を採り続けている。しかも、農薬や肥料を使わずに野菜や土が本来持っている生命力を生かせるように、育てている野菜です。
次回のレシピは12月12日(月)に更新。
マツーラさんと金子さんがつむぐ、新たなスープをお楽しみに★
(レシピと文・つむぎや 金子健一 )
○Alps gohan
○manoma
○つむぎや
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