今回は旅のお話をお休みして。
11月のカルチャー特集にちなんで、村上春樹について語りたいと思います。
「おはなし、スープ」でも、SNOW SHOVELING・中村店主がいくつかセレクトしていましたが、私にとって村上春樹の小説は心の拠り所だったりします。
つい最近も、(たまたま見ていた)中村店主がインスタLIVEで「何かあったときに、海辺のカフカの小説をどこでもいいからページをめくって読むと、すーっと心が落ち着いて。何かあったときのルーティンにしているんです」とおっしゃっていました。
中村店主もおしゃれというかセンスが!センスがよ!と思ったのですが、
それはとても素敵なルーティンだと思い、私もこのごろまねするようになりました(...)
最初に読んだ小説は、確かノルウェイの森。王道ど真ん中ではあるのですが、心をわしづかみにされて、何度も読み返しました。「木を見て森を見ず」ということわざも、ここから学びました。
小説は、1作めの風の歌を聴け が未だに好きです。
シチュエーションと展開がありそうでない、でも自分だったら?
こんな女性いるのかなーなど考えるほどにハマっていきました。
旅先でも、村上春樹を持っていくことにしています。
ひとり旅が多いので、移動中やのんびりする日に読みながら寝落ち(...)の心地よさも。
目が覚めて、「あ、異国の地にいるんだ」と気づかされて。外へ行く準備をして。
そんな旅時間が何度もあります。
数ある小説の中でも、好きな一章節があります。
短篇集『カンガルー日和』から
4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
この心のくすぐりは、今書いていても止まりません。
こんなふうな表現をしてみたいなと、ずっと思っていて。
全然敵わないのですが、とある広告のお仕事で雰囲気を寄せて書いたコピーがあります。
選ばれたときには、なんども書いては消してが報われたなと思いました。
忘れていた何か、心の奥底にある気持ちを思い起こさせる村上春樹の表現。
ふとしたときに、読みたくなる異世界。
虚無感や高揚感といったさまざまな感情が湧き上がるその時間が、
とても大切だったりするのです。
少し前もアカデミー賞で話題になった「ドライブマイカー」も、
村上春樹好きの友と観にいきました。とりあえず、観ておこうか という具合に。
どんな形であれ“村上春樹にふれる”ことで満たされたりします。
ノーベル文学賞がとれない毎年の“行事”も、いいと思います。
ジャズが好きで、Tシャツも好きで、旅も好きで。
もう、歩くカルチャーと言っていいでしょう。
ふわっと、村上春樹 愛を綴りましたが、
ひっくるめると、混沌とした日々から、少しだけ逃避させてくれる存在です。
soupn.スタッフ umico
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