混ざり合って、ピースフル
ふたつでひとつのクリームスープ
<材料>(約4人分)
【じゃがいもスープ】
・玉ねぎ 2個
・セロリ 1/2本
・じゃがいも 2個
・水 500ml
・生クリーム 100ml
・塩 小さじ2
・オリーブオイル 大さじ2
【トマトスープ】
・玉ねぎ 2個
・セロリ 1/2本
・にんじん 1本
・トマト缶 1缶
・水 350ml
・塩 小さじ2
・オリーブオイル 大さじ2
【トッピング】
・ソーセージ 1本
・マッシュルーム 4個
・ブロッコリー 1/4株
・そら豆 さや4本
・オリーブオイル 適量
<下準備>
・玉ねぎは皮をむき、薄切りにする。
・にんじんは皮をむき、ざく切りにする。
・セロリは皮をむかずに、ざく切りにする。
・じゃがいもは皮をむき、一口大に切り、
水にさらしておく。
・ソーセージは厚さ2cm程度で輪切りに。
・マッシュルームは石づきを切り、縦半分に切る。
・ブロッコリーは一口大の子株に切る。
(ひと皿あたり2個分を目安に)
<作り方>
【じゃがいもスープ】
①鍋にオリーブオイルを入れ中火で熱し、玉ねぎを加えてしっとりとするまで炒める。
②セロリとじゃがいも、水と塩を加え蓋をして、弱火で約15分煮込む。
③生クリームを加え一煮立ちさせてから、ハンドブレンダーでピューレ状にする。
【トマトスープ】
①鍋にオリーブオイルを入れ中火で熱し、玉ねぎを加えてしっとりとするまで炒める。
②セロリ、人参、トマト缶、水、塩を加え蓋をして、弱火で約15分煮込む。
③ハンドブレンダーでピューレ状にする。
【トッピング】
①そら豆はさやのまま200度に予熱したオーブンで約15分焼く。
焼き上がり、手で触れるくらいまで冷めたらさやから出し、薄皮をむく。
薄皮は、中身が崩れやすい出っ張った部分から剥くと、きれいに取れやすい
②フライパンにオリーブオイルを入れ中火で熱する。
ソーセージ、マッシュルーム、ブロッコリーをこんがりと焼き目がつくまで焼く。
<仕上げ>
お皿に2種類のスープを盛り付け、色の境目に具材をトッピング。
仕上げにオリーブオイル(分量外)を回しかける。
☞ポイント
★そら豆は茹でるより、オーブンでさやごと焼き上げると、ほっくりとした甘味が味わえます。
\ Staff Voice /
今回は《おいしいスープ》という、ある意味難題なテーマがきました(笑)
本の紹介担当の中村さんも「おいしいスープとしか書いてないんですよねぇ」と。
さわのさんと相談し、2つの国だからそのことを表現してみようとなり、2つのポタージュが完成しました。
じゃがいもとトマト。混ぜて食べると美味しさも倍増!よくよく考えてみたら2つのスープを同時に作ったことがなかったな。
レシピを見たら、材料も似ているから作りやすい。ということで、作るしかない!と意気込む私。
そのきっかけを作ってくださったさわのさん、
今回もありがとうございます。
まほうのスープ
『魔法』という言葉にどうも弱いというか、
魅かれてしまうのは私だけではないはず。
小さいころは箒にまたがって念じてみるも飛べず、
魔法学校からの入学証がいつか届くかも!!と
空想していた10代はとっくにすぎ、
良い魔女になるに条件は美味しいジャムが作れること、と
どこかで耳にした時には
『そこはクリアしてる!』と思ったし、
今だって料理の仕事をしていて辛くなると
『これは魔女修行だ』と自分に言い聞かせて、
律して、まだまだ魔女への憧れは消えない30代です。
今回のお題『まほうのスープ』は
ある高い山の右と左に国があって、それぞれ王様とお妃様がいます。
それぞれ子どもが生まれて、その赤ちゃんの洗礼式に
親戚を招くのですが、1人だけ忘れられた魔女がいました。
魔女は招待されなかったことに怒り、
2つの国にスープ鉢とスプーンを贈りますが、
それはどちらか一方だけでは役に立たないものなのです。
スープ鉢とスプーンをめぐる争いから滅亡の危機に
瀕する2つの国に平和をもたらしたのは子どもたちでした。
大人の見栄と欲とプライドでめちゃくちゃに
なってしまう非常事態ですが、上手くいく方法は
とても簡単で単純だと、
子どもたちは教えてくれるのでした。
変な意地を張って譲れなくなってしまうこと、
謝れば済むのに謝れなくなってしまうこと、
大人になると知識は増えますがその分、
見えなくなってしまうことも沢山あるのかもしれませんね。
今回のスープはそんな2つの王国を表したスープです。
トマトベースの酸味の効いたスープとクリームベースでコクのあるスープ。
それぞれおいしいですが、2つを合わせると
また変わった味わいになります。
真ん中を隔てている具材も一緒に混ぜると
食感も加わりとてもユニーク表情を見せてくれます。
今日はわたしから料理がおいしくなるポイントをひとつ!
食材を切る時、炒めるとき、混ぜるとき、
オーブンに入れる時、料理を進めていく節目節目で
『おいしくなーれ』とボソッと呟いてみてください。
食材は生きていて私たちの思いを
必ず汲み取って形を変えていきます。
魔法ではないかもしれませんが、おいしくなるおまじないとして、ぜひ呟いてみてください。
(文・さわのめぐみ)