<材料>(約4人分)
・玉ねぎ 1個
・にんにく 1片
・サラダ油 大さじ2
・牛スネ肉 300g
・カレー粉 大さじ1
・ビール 500ml
・水 500ml
・塩大さじ1/2
・マッシュルーム 8個
・にんじん 1本
・じゃがいも(小) 4個
・ソーセージ 4本
・ブロッコリー 1/4株
〈トマトペースト材料〉
・カットトマト缶 1缶
・砂糖 小さじ1
<下準備>
・玉ねぎ、にんにくはみじん切り。
・牛スネ肉は小さじ1/2の塩を全体的にまぶしておく。
・マッシュルームは石突きを切る。
・人参は皮を剥き1.5センチの厚さに輪切りする。
・じゃがいもは洗い、皮は剥かず、切らずに丸々使用。
・ブロッコリーは食べやすい大きさに切る。
<作り方>
①鍋にサラダ油を入れて、にんにくを弱火で炒める。
香りがしてきたら玉ねぎを入れて、全体がきつね色になるまでじっくり弱火で炒める。
② ①の作業をしている間に、フライパンにカットトマト缶、
砂糖を入れ中火で水分を飛ばし「トマトペースト」を作る。
③ ①の鍋に、②のトマトペーストとカレー粉を加え、弱火で炒める。
カレー粉の粉っぽさがなくなったら牛すじ、ビール、水、塩、マッシュルーム、
にんじん、じゃがいも、ソーセージを入れて蓋をして、弱火で30分煮込む。
煮込んだら塩で味を整える。最後にブロッコリーを加え、約1分ほど煮込んだらできあがり。
☞ポイント
★②のトマトペーストは、トマトの酸味を
取り除いて味をまろやかにします。
しっかり水分を飛ばしましょう。
★一晩、冷蔵庫で寝かせるとより一層美味しくなります。
\ Staff Voice /
一口食べて、トマトとおそらくビールの酸味が
重なり合い、二口食べて、具材との相性を実感する。
正直「シアワセ!」と叫んでしまいました。
牛すじと丸々一本入ったウィンナーで
ボリューム感もあり、ゴロゴロ野菜も
しっかり煮込まれて食べやすさも◎
ある日突然、主人公を誘った女の子は
どんな気分で作ったのか?得意なビーフシチュー。
主人公と鼠ががぶ飲みするビールを煮込みに
冷房をつけるまでもない、でも身体が汗ばみじめっとした朝、
“今回のスープのお題は村上春樹の『風の歌を聴け』です。”とメールを受け取った。
中村さんからの書評待ちではあったものの先に読んで見ることに。
行きつけのバーでの友人とのたわいも無い会話。小指のない女の子との出逢い。
土曜日の夜に流れるラジオDJの名言。港町の風と香り。
ベートーベンのピアノ協奏曲。
移り変わっていくたくさんの場面と音楽を頭の中で想像しながら、
青春映画を楽しむようにゆっくりと読み進めていった。
主人公の僕が過ごすどこか切ない夏が淡々と過ぎ去っていき、
あれ?スープは?と心地よく読み終わった私は肝心なことに気がついた。
途中食べ物が登場したシーンは、
小指のない女の子の『ビーフシチューは好き?』という突然のお誘いとジェイズ・バーのジェイが作るフライド・ポテトくらいだった。
真夏の夜のシチューは身体を芯から温め、さらに汗をかくことになる。
けれど夜の潮風に吹かれてその汗がだんだんと身体を冷やしていってくれる様子が爽やかに描かれていた。
ジェイズ・バーのフライド・ポテトは冷凍ではなくジェイがじゃがいもから仕込んでいる様子が描かれていて、
僕と鼠が取り憑かれたように飲んでいるビールとフライド・ポテトは、最高の夏を表していた。
(文・さわのめぐみ)